証券アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員Chartered Member of the Security Analysts Association of Japan)は国家資格ではありません。認定団体である社団法人日本証券アナリスト協会が主催している民間の検定試験です。つまり、これを取得しているからある業務ができる・できないというものではありません。この点では弁護士や医者とはちょっと性質が違っています。しかし、国家試験ではないから優れた資格ではないということではありません。むしろ市場は政府には干渉されない、自由であるべきだと考えれば、当然といえるかもしれません。 社団法人日本証券アナリスト協会では、この証券アナリスト養成プログラムを「証券分析業務に必要な基礎的な専門知識と分析力を身につけるため」と定義しており、また証券分析業務については、証券アナリスト職業行為基準のなかで、「証券投資に関する諸情報の分析と投資価値の評価ならびにこれらに基づく投資情報の提供、投資推奨または投資管理をいう」としています。つまり証券アナリストは金融のプロということです。 証券アナリストの活動の分野は、企業の財務データをもとに個別証券の分析・評価を行う、いわゆるリサーチ・アナリスト的な役割にとどまりません。資産の運用・管理に携わるファンドマネジャー的な役割、投資に関するアドバイスの専門家である投資顧問的役割、また運用意思の決定者であるストラテジスト的な役割、そして401kの導入で注目を集める個人資産の運用・管理を行うファイナンシャルプランナーなど、証券アナリストの業務内容は広く深いのです。